高額査定のコツ
どうすればより高く買取してもらうことができるのでしょうか。
大量に持ち込む場合、スタッフが一冊ずつ細かく確認する時間はありません。 それがどんなに熟練したベテランでも、数百冊や数千冊もあったら1ページずつ 汚れ具合を調べたり折れていないかチェックすることはしません。 何冊か見て全体的にどうなのかを大雑把に予想することになります。 最初に数冊パラパラめくって、紅茶をこぼしたようなシミがあったり書き込みが されていたり、折れている部分が見つかるようだと「今持込をしたお客さんは本を 丁寧に扱うのが苦手な人っぽいな、他にもきっとスパゲティーで汚してしまった本や 洗濯機で洗ったような本が紛れていそうだ」と判断されます。 この判断は本当にそれらの痕跡が残されたブックだけが対象ではなく、目の前に 積み上げられたブック全てに適用されてしまいます。 つまり数冊の薄汚い本が発見された時点で1冊当たりの単価を低く設定してしまおう という、なんとも合理的な発想をするのです。 1冊残らず全てをチェックすることが困難ないじょういたしかたの無いことですが、 綺麗な本の評価まで下がってしまうのは少し残念なことです。 古本なので状態により買取価格が変動するのはやむを得ませんが、たまたま偶然 見つかった数箇所の汚れで全体の評価を下げられるのは損した気分になります。 もしそのスタッフの判断どおり汚れた本だらけならそれでも納得ですが、1%か2% の割合で美品とは言い難い書籍が混ざっているのなら、いっそそれだけ取り除いて しまった方がいいかもしれません。 美しくて良い状態の本だけ見てもらうことで1冊あたりの単価が上がるかもしれず、 数冊減らしても結果的に総額が上回る場合があるからです。 綺麗な本だけ見てもらい印象を良くする、これが高価買取のコツなのです。 処分したいものが全て保存状態が良く胸を張って査定してもらえる、なんてことは そうないでしょうから良くないものは取り分けて捨ててしまう、これは素人には 考えも及ばない鑑定人の発想です。 汚さないよう綺麗に扱うことが高価買取の秘訣ですが、そうでなくなった場合の対処 も覚えておくとこれから何度もやってくるであろう古本の買取で有利に立ち回る ことができるようになるはずですので、脳にインプットしておいて下さい。 また古本として購入した本を今度は売りに出す場合、購入時に貼り付けられていた 値段のシールが残っていたらどうするべきでしょうか。 自分で剥がそうとするとかえって汚い跡が残りそうだからとそのままにして持ち込む と状態が良くても査定価格は下がると考えておきましょう。 古本で買われたのなら新品で買ったのよりも安くなる、当然です。 ショップ側も次のオーナーに販売するにあたり、そのシールは剥がさないといけない かもしれませんし、その分手間がかかるのなら買取価格も下げることになります。 なので高く査定してもらいたいのなら痕跡残さず値札を処分するべきでしょう。 ただ力任せに捲ったり爪で引っかいてはがそうとしても粘着部分が上手に取り除け ませんので、跡形も無く剥がすにはそれなりのテクニックを駆使しなければなりません。 まずはウェットティッシュでシールを優しく擦りまくります。 あまりそれ以外の部分に当ててしまうとそちらがふやけてしまうので、狙いを定めて シールの部分だけを擦るようにしてください。 しばらくすると水分を吸収してシールがふやけてきますので、慌てずに平常心を 保ったまましばらくは続行しましょう。 次の段階になるとふやけた部分が少しずつ剥がれ落ちておきますので、力加減に 注意して一気に勝負を決めようとせず根気よく擦りを続けます。 これを成し遂げればそこにシールが貼られていたとは思えないほどツルツルになり、 鑑定人にも気付かれないバッチリな表面に仕上がります。 一度マスターすれば今後も古本を新品で購入したかのような査定価格で買取して もらうことが望めますので、ぜひ身につけてしまいましょう。